信じられないが6年間の深い眠りがアトムをすっかり変えていた。


1歳になるまでのアトムはごくふつうのどこにでもいる犬であった。
ボールとじゃれあったり、呼べばこっちにしっぽを振って走ってくる本当にかわいい犬だった。
あのときのアトムはどこへ行ってしまったのだろうか?

      
 いま私の予想をはるかに越えたアトムの秘密を解明すべく踏み出したのだった。





                    
                
                        
                              

                       1992年 春

                        アトムが生まれ我が家にやってきた


                 1993年夏

私もやはり犬(アトム)を普通の犬のように散歩に行ったり、ご飯をあげたり、しつけようとして叱り、ほめたりしていた。
その日もいつも通りの散歩道を夕方歩いていた。が、突然犬が右足を高く上げそのままひっくり返ってしまった。何が起こったのかわからなかったがとりあえず抱きかかえ家に戻ったのだ。注意深く右足を観察するとなんと深い針がアトムの足を突き刺していた。針はまっすぐ2cmほど突き刺さっていた。あまりに痛がるので私は急いでまっすぐゆっくりと針を右足から抜き消毒液を吹き付けた。傷口はすぐに直ったかに見えたがその後思いがけない展開に発展していったのだ




                         1993年冬                                                                  
 あの夏の日以来、アトムは目に見えて眠る時間が増えた。眠るというより起きていられないという表現のほうがあてはまる。そこで私もそばにいてゆっくり過ごす時間が徐々に増えていった。本当によく眠る犬になっていた。気がつけばいつもいつも横になっているのだ。ご飯を食べては横になって眠り、散歩が終わるとまた眠る。いつになったらアトムは起きて元気に走り回るのだろうかと考えてしまう私であった。
いつしかそんなアトムのそばを離れることもできず、できるだけ私は休みの日には一緒に眠って過ごすようになった。
一緒に眠ってしまう私も私だがまあ気にせず先を読み続けとほしい。                


                            


                       1993年初春

恐れていた事態がついに現実になった。

アトムが起きることなく眠りつづけるようになってしまったのだ。(もちろんこれはアトムが永遠の眠りについたわけではない)。ある程度この事態は予想はしていたものの、現実にいつまでも眠りつづける犬を目の前にすると私は一体どうすればよいのか。しかし考えている間もアトムは眠りつづける。

全く動きもせずに死んだように眠っているわけではない。まるでたった今眠ったかのように気持ちよさそうに、すやすやとねむっているのだ。まあこの犬はそういうふうにできているのだ、と私も思うようになり時間は流れつづけるのであった。




             
あれから6年、、、、         




                      1999年初夏

1999年 アトムは突然起きた。毎朝いつも起きるように、しかもまるで何事もなかったようにむくりと起きたのだ。この信じられないような私の驚いた表情には全く目もくれずに、、
 以前のアトムとは違っていた。見かけこそ6年間の時間の経過を感じさせるが、以前の愛らしさ、純情さがなくなっただけではなった。
なんとアトムに今まで見たことがないような異変が起こっていたのだ。
恐ろしい、、、、、、、 これは何の兆候なのか。